第41回光学五学会関西支部連合講演会のご案内

光学関連五学会の関西支部では、合同で年一回の連合講演会を開催しており、今回で41回目を迎えます。本講演会は、幅広い分野の講師の方々にご講演頂いて見識を広め、また、会員の交流を深めることを目的にしております。参加者は専門分野の知識を深めると共に、他分野の最新の研究技術について学ぶことができます。今回は身近なくらしに関連する最先端の光学関連技術を、第一線でご活躍の講師の皆様にご講演いただきます。
日 時 2008年1月26日(土)10:35〜17:00
場 所 大阪市立大学文化交流センターホール
(〒530-0001大阪市北区梅田1-2-2-600 大阪駅前第2ビル6階)
主 催 日本光学会(応用物理学会)・照明学会関西支部・日本色彩学会関西支部・ 日本分光学会関西支部・日本写真学会西部支部
協 賛 映像情報メディア学会関西支部・電気学会関西支部・電子情報通信学会関西支部・応用物理学会関西支部・日本化学会近畿支部・日本画像学会関西支部・日本建築学会近畿支部・日本材料学会関西支部・日本照明家協会・日本照明器具工業会・日本電球工業会・日本人間工学会関西支部・レーザー学会
テーマ 「現代生活と光 〜光で守る豊かなくらし〜」
講 演
1)10:40〜11:40  「生活見守り住宅 〜新しい生活サービス創出を目指して〜」
産業技術総合研究所 松岡 克典 氏

少子高齢化や生活様式の多様化が急速に進む中、安全で安心できる健康的な暮らしが求められている。そのような暮らしを実現するためには、個々の生活者の状態を日常生活の中で理解して(気づいて)、その理解に基づいて生活者に合わせた生活サービスや生活支援を提供する技術(生活見守り技術)が必要になる。このような観点から、住宅内の家電ネットワークを活用して、人に代わって生活の異変や生活ぶりの変化に気づく技術の研究開発について紹介する。また、このような生活見守り技術がもたらす新しい生活サービスについて展望する。
2)11:40〜12:40  「酸化チタン光触媒の実用化展開と最新の研究動向」
大阪府立大学 安保 正一 氏

酸化チタン光触媒は紫外光の照射下、あらゆる有害有機化合物を二酸化炭素と水にまで完全酸化し無害化することが出来る。また、薄膜状の酸化チタン光触媒は紫外光の照射下、水の接触角がゼロとなる超親水化特性を有しセルフクリーニング効果を示す。これら酸化チタンの高い光触媒反応性と光誘起超親水化特性を利用した各種の実用化展開が見られる。この様に酸化チタン光触媒は有用な光反応性を示すが、それには380nmより波長の短い紫外光の照射が必要となる。したがって、室内灯などの可視光を放す光源や大部分が可視光である太陽を有効に利用することが出来ない。そのため、可視光でも高効率で機能する新規な可視光応答型酸化チタン光触媒の開発が切望されている。これら酸化チタン光触媒の実用化と最新の研究動向に関して講演する。
3)13:50〜14:50  「高効率ナノランプをめざして〜微細構造による熱輻射の制御」
大阪大学 高原 淳一 氏

地球温暖化対策にとって白熱電球はすっかり悪者にされてしまった。でも私は白熱電球が大好きで、これにこだわっている。白熱電球はエネルギー効率が悪いと誤解されている。実は電球のエネルギー損失は5%程度であり、電力のほとんどを電磁波として放射しており、エネルギー効率は100%に近い。ただそれが目に見えないだけなのだ。白熱電球は投入パワーの可視光への変換効率が10%以下と低いのである。本講演では白熱電球のフィラメント表面に微小共振器を形成することにより、赤外線を抑制し、可視光の割合を大幅に増加させる試みについて述べる。また、ナノ領域における熱輻射の最近の基礎研究について紹介し、低次元光波やカシミール力との深い関係について述べる。
4)14:50〜15:50  「農作物栽培をはじめとするLEDの応用事例」
シーシーエス株式会社 武市 真吾 氏

90年代初めに青色LEDが発明されて以降、植物栽培用の光として注目されるようになったLEDは、現在では植物工場の次世代光源として実用化が検討されている。栽培用光源としてLEDが有する利点は、特定波長の光を効率的に照射できる点にあり、その特徴を活かした研究がこれまで様々な農作物に対して行われてきた。最近では、より付加価値の高いイチゴなどの果菜類や薬草・花き類へとその対象が広がり、微細藻類(植物プランクトン)の培養や遺伝子組換体を用いた機能解析実験などにも活用されている。今回は、植物が利用する光について解説するとともに、実用化を見据えてどのような用途でLEDが応用されはじめているかを紹介する。
5)16:00〜17:00  「窒化物半導体LEDの現状と将来展望 〜基礎光物性とベンチャー創成から見えてくるもの〜」
京都大学 川上 養一 氏

白色LED固体照明は、窒化物半導体の研究・開発によって応用範囲を着実に拡大している。そこで、新しい照明装置としての特長と開発動向について、有機白色EL素子との比較も交えながら解説する。さらに、高効率化、発光波長域の拡大と新しいタイプの白色素子構造に向けて、著者らが取り組んでいる課題と最新の研究成果について報告する。また、医工連携によるゴーグルライトの開発とベンチャー創成への展開も紹介する。
参加費 主催・協賛学会員/3,000円 会員外/3,500円 学生/1,000円 (講演会当日にお受けいたします。)
講演会の後、懇親会(無料)を行います。
申込方法 氏名、勤務先(学校)、住所、TEL、FAX、E-mailアドレス、所属学会を書き、下記へE-mailまたはFAXでお申し込みください。
申込先 ソニー株式会社AMC事業部開発部 水口 淳
E-mail :Jun.Minakuchi@jp.sony.com FAX : 06-6150-2045
申込締切 2008年1月16日(水)(定員90名)