理研シンポジウム RIKEN Symposium 
蛍光相関分光で見る生体系の情報伝達(4)

 

開催日時 平成19年3月14日(水)
場 所 独立行政法人理化学研究所 仁科ホール
主 催 独立行政法人理化学研究所 環境ソフトマテリアル研究ユニット
共 催 北海道大学電子科学研究所
協 賛 (社)日本分光学会、日本放射線化学会、文部科学省科研費特定研究
  「極微構造反応」
蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy: FCS)は共焦点レーザー顕微鏡を用いた分光方法で、観測される蛍光の揺らぎから、蛍光物質あるいは蛍光ラ ベルされた物質の運動状態とその数を測定出来る実験方法であり、必ずしも単分子観測の条件を必要としないのが特徴である。光学検出限界より小さい分子や粒子は、細胞レベルの代謝、情報伝達あるいは物質輸送において主たる役割を果たしていると考 えられるにもかかわらず、光学的な実時間観測は不可能であり、電子顕微鏡、AFMなどによる遅い観測に頼らなければならない。FCSはこのような光学限界以下の分子や粒子において、拡散速度、反応速度、リガンドとの結合状態などの動的挙動を把握することのできる強力な観測ツールであり、レーザー顕微鏡の高感度、高解像度画像観測と組み合わせることによって無限の可能性を秘めている。本シンポジウムでは、物 質科学からin vivo, in vitroまでの様々なFCSの最新のアプローチを紹介し、さらに生体系における諸問題を解決するツールとしてブレークし始めたFCS測定の近未来を探る予定である。